2023年のクレジットカード不正利用額は前年より23.9%多い540.9億円で、過去最悪になった。日本クレジット協会が29日公表した。カード情報などを盗み取るフィッシングが広がり、不正利用は増加の一途。生成AI(人工知能)など最新技術が悪用され、手口も巧妙になっている。
不正の内訳は、カードの番号盗用504.7億円、偽造3.1億円、その他33.1億円。件数や1件あたりの被害額などは公表していない。不正増加の理由について、協会は「分析していない」という。
被害額は統計をとり始めた1997年以来で最も多い。00年代初めは偽造による被害が全体の過半を占めた。ネット取引が普及した今は、被害も対面から非対面に大きく移っている。
ネット取引の不正検知サービス企業「かっこ」によると、カードの不正利用に使われる商材は、化粧品・医薬品・健康食品・チケットなどが多い。ただ、昨年半ば以降、ふるさと納税での不正検知が増えたという。
同社によると、不正者は盗ん…